consul-templateをsystemdで動かすときの学び

このエントリは HashiCorp Advent Calendar 2015 - Qiita 14日目の記事です。

consul-templateは、consulの様々なイベントをトリガーに指定したテンプレートファイルを元に指定したファイルを更新するためのデーモンです。ユースケースは、HAProxyNginx などロードバランサやリバースプロキシのバックエンドを、状態に応じて動的にクラスタ(ロードバランサやリバースプロキシ)へ追加・削除し、可用性や拡張性を高めたい場合などです。今回、同様にnginxとconsul-templateを使って動的リバースプロキシを作ってみましたが、それぞれをsystemdで管理するという点で幾つか学ぶことがありました。私が最初に書いたconsul-templateのconfは以下です。commandによって、nginxのリロードとslackに通知をするスクリプトを呼び出しています。

...
template {
  source = "/usr/lib/consul/templates/nginx.upstream_web.conf.ctmpl"
  destination = "/etc/nginx/conf.d/upstream_web.conf"
  command = "/bin/systemctl reload nginx.service && /usr/lib/consul/bin/notify_changed"
}
...

これで動かすと、consul-templateのイベントはロギングされ、nginxのリロードそして通知とあたかも正常に動いているようですが、nginxのconfは書き変わらないままです。何かconsul-templateの設定がおかしいのかとREADME.mdを読み直すと、テンプレートは/tmpに置いていることを見つけ、systemdはcgroupsでリソース制御しているのを思い出します。なので、次は /tmp を使ってプロセス間でファイルの共有をやってみます。

...
template {
  source = "/tmp/nginx.upstream_web.conf.ctmpl"
  destination = "/tmp/nginx.upstream_web.conf"
  command = "/bin/systemctl reload nginx.service && /usr/lib/consul/bin/notify_changed"
}
...

すると、今度はconsul-templateからのnginxリロードに失敗するようになりました。

systemd[1]: PID file /run/nginx.pid not readable (yet?) after reload.

また、nginxのconfの書き換えが反映されません… なので、Nginxのsystemd service fileを眺めていると以下のオプションを見つけました。

PrivateTmp=true

これは、このサービス専用に独立した /tmp を使う設定のようで、これが機能しているために、confの書き換えができないのでした。PrivateTmpをコメントアウトしてやると、systemdでconsul-templateを動かすことができるようになりました。

Conclusion

systemdは管理下のプロセスをcgroupsによる分類を行うことで各サービスのリソースの制御を行っているわけですが、プロセス間で情報をやり取りする場合は /tmp を使います。ただ、/tmp はサービスと関係のないプロセスからも参照できるので各サービスのみが使う場合は PrivateTmp=true を使うことが望ましいでしょう。consul-templateはmiddlewareのconfを書き換えることになるのでsystemdを使う場合は、middlewareのsystemd service fileで PrivateTmp=true になっていないか注意する必要があります。

Note

今回、Consul導入にあたってChefを使いました。既存のconsul-cookbookを利用しようと思ったんですが、シンプルじゃなくて使いにくい設計だったので作り直しました。もちろん、Consul WebUI・consul-templateに対応してあります。

Reference